暑い日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回の職員研修会は、
『目薬の正しいさし方』を取り上げてみました。
目薬をさすことはヘルパーが行える行為として認められており、私達も利用者さまに目薬をさす機会があります。
私達訪問介護員は、施設等で勤務されている介護員の方と比べると、その回数は少ないと思います。
目薬のさし方をあらためて学び、正しく実施できるよう、今回のテーマとしました。
『目薬の正しいさし方』
① まずは手を石鹸と流水でよく洗い、清潔な状態で点眼します。
手には多くの雑菌が存在するため、これらの菌によって目や点眼液が汚染されないように、点眼前の
手洗いを指導します。
② 下まぶたを軽く引き、1~2滴を確実に点眼します。この時容器の先がまぶたやまつ毛に触れないよ
うに注意します。
容器の先が目に触れると涙液が容器内に逆流し、点眼容器内の点眼液が眼脂などで汚染される恐れが
あります。
目薬がちゃんと入らないからといって目につけてさす方がいらっしゃいますが、これは目を傷つけた
り、目薬が不潔になりますので、離して点眼してください。
③ 点眼した後は目を閉じ、目頭を1~5分間軽く押さえます。点眼後すぐにまばたきをすると、薬が涙点(目頭の部分にある目と鼻をつなぐ穴)を通って喉のほうに逃げてしまいます。口の中に苦みを感じるのはこのためです。「まばたきすると点眼液がよく行き渡る」と誤解されている方が多いそうです。
④ 2種類以上の目薬を続けてさす場合は、薬剤が吸収されるのに少し時間がかかるため、次の目薬をさ
すまでに5分間程度間隔をあけて点眼して下さい。
◎ 点眼剤が多剤処方された時の注意点は?
実際の臨床では、2剤以上の点眼剤が同時に処方されることが多くみられます。
点眼間隔及び点眼順序が大切です。
(点眼順序)
・特に意思の指示が出ている場合は、その指示に従う。
・原則としてよく効かせたい点眼剤を後に点眼する。
・懸濁性点眼剤は水に溶けにくく、吸収されにくいものもあるため、後から点眼する。
・点眼液と眼軟膏の併用では、軟膏剤は水性点眼液を弾くため、軟膏は後から点入する。
・点眼後にゲル化する点眼液は、後から点眼する。
⑤ 溢れた点眼液は清潔なガーゼやティッシュで拭き取ってください。
溢れ出た点眼液は接触性皮膚炎の原因となることがあります。
利用者さまに目薬をさすというのは、一見簡単なように見えて実は結構難しいものだと考えます。
今回学んだ点眼の基本を各員しっかり身に付け、安全で確実な点眼を実施していきます。